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半分の世界だけでは意思決定までいかない

Posted on 2024年6月2日

藤井聡太新名人・七冠になった一年前、次の内容の記事が新聞に掲載された。

『局面は限られますけれど、様々な変化の先に長手数の詰みがある時など人間の方が読める局面はあると思います。自分はAIの強さを知っていますが、将棋が難しいことも知っています。… 対局に現れるのは指した手だけですが、指されなかった手も存在します。それぞれに意図があり、重なり合って一局の将棋になる。意図を持って指し手を選ぶという人間ならではのことを大切にしたい。』

この名言。大事に引用したい。

 過去の記録をベースにすることしかできない現状のAIの真実は、半分の世界だけで勝負しているにすぎない。この先に道具は進めるのか、少なくとも私には予知できない。人間の多くの「意思決定」は、意思決定というより、表面に現れた過去のデータと経験・習ったことをたぐっているにすぎない場合があまりに多い。道具としてのAIはそれでいいんだろう。60年かかってもその程度のものしか人間は今のところ作れないということだ。

 ダートマス会議に遅れてHarbert Simonは出席して、そして早退した。そして組織論的意思決定への取り組みを進めた。経営者個人の苦悩と決断に取り組むようになったと私は思う。道具の部分はファイゲンバウムに伝えていった。一方で、AI研究の多くは、問題解決というプロセスは議論したが、意思決定という深淵を直接扱わないようになった。開発にあたるものはそれほど傲慢ではなかった、今のところ。

拙著 A Narrative History of Artificial Intelligence (Springer Nature, May 2024)の1章と7章にこれらをちりばめた。

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