アメリカで静かに増えているセリアック病、グルテンフリーの食物を必要とする人たち、を知っていますか?アメリカでは認識が進んで、スーパーでもちゃんとそのコーナーがでてきたり、グルテンフリー醤油なども生まれている。これは、オーガニックがいいとか、なには健康にいい、悪いという研究成果の発表があった、とかとは違う話。日本はあまりに対応がなさすぎる、結果として日本へ来たいという人たちを減らしている、そうとさえ感じる。
友人の患者から資料をもらって日本語にしてみた。
結局ダメなのは、小麦、ライ麦、大麦に含まれるグルテン成分。オーツもダメと言われてきたが、生産工程が小麦と区別していないことが多かったので、それが影響したということがわかった。今は、まったく、独立した工程で製品にすることができるようになり、グルテンフリーオーツが販売されている。
したがって、小麦粉を使ったものはすべてダメ。なので、日本通だったら食べたいと思っているものでは、ラーメン、餃子、天ぷら、味噌などはダメ。普通のパン、ビール、クッキー等のお菓子などもダメ。化学調味料はその工程がわからないのでダメ。したがって、カレールー、カニカマ、加工わさび、ドレッシング、合成酢、なども工程がわからないし、成分として小麦粉がほんとにないのか疑わしい場合も多いので、黒に近い灰色。だしの素は天然成分のみからと書いてあるものでそれを信用すればOKのはず。なお、冒頭に書いたが、アメリカでは、グルテンフリーを銘打って販売している食品が多く存在しているので、注意点だけを守ればそんなに困らない。レストランでもグルテンフリーメニューがすでに存在しているところが増えている。メニューがなくても、グルテンフリーでできるかとコックに聞いて、対応してくれるとことも多くなっている。これが、日本がグルテンフリー人口に対して鎖国をしているとも感じている理由である。そういう奥さんがいると、それはプライバシーでもあるから、日本につれてこれない、というだけになる。
大丈夫なものとして、その筆頭は、米と米粉。米粉で作ったパンもある。豆や豆腐、卵、魚、肉、野菜、果物などふつうの食品。ゴマ、純米酢、海苔などもOK。これは原因の3つを考えれば納得。
調理上の問題としては、鍋、釜、まな板などを完全に独立して混ざらないようにすること。
こんなことが理解したこと。正確な情報を確認する場合には、必ずちゃんとしたサイトを見てください。また、「生産工程が不明なので」というものは、ちゃんとグルテンフリーで作った明記して販売されるものが順次出てきている。醤油がその代表例。その状況は患者にとってどんどんいい方へと進むだろう。
参考になりました。
イギリスで英国企業/政府機関向けの企業研修をしています。今月予定の研修に’グルテン不耐症(Celiac Intolerance)’の女性が参加されることになり、日本でのグルテン不耐症に対する理解度や食事状況などに関する質問を事前に頂きました。
グルテンアレルギーというのは聞き覚えがありましたが、グルテン不耐症というのは初めて知りました。患っておいでのご本人にとってこれ程深刻な状況を及ぼすのだという事もよく分かりました。
この参加者は、今年から日本へ頻繁に出張されるという事なので、できる限りの情報提供とアドバイスをしていきたいと思っています。
更に詳しいサイトなどをご推薦して頂ければ、うれし
グルテン不耐症という言葉は、より正確でしかも性格をあらわしていますね。ボストン等では、自分たちのことをCeliac Diseaseと言っていたので、そのままセリアック病と書いていました。でも、研究が進み、言い方も米国でも変えているのかもしれません。聞いてみます。
この食品は大丈夫か、というのが現実な問題なわけですが、2012年7月2日の私のfacebookの記事に、食品メーカの人が、 『食品メーカーが作る製品(基本的にレストラン、製造小売のお店、家庭で作られるもの以外)は法律でアレルギー素材の表示が奨励されています。特に重大なアレルギー症状を引き起こす7品目(そば、卵、牛乳、小麦、えび、かに、落花生)は表示が義務化されています。だから原材料の欄をチェックすれば大丈夫です。この表示義務は内容が誤っていたり、印刷漏れがあった場合には製品が回収させられる厳しいものです。参考まで。』とコメントしてくれています。
また、つづけて、成分表示のきびしさについて、『書いてなければつなぎであろうが、主原料であろうが入っていません。ただ厄介なのは小麦を使った製品と同じラインで製造されていますと表示されている場合です。この場合にはラインはたぶんきちんと洗浄されて入るものの、誤ってまたは洗浄不良などで入ってしまっている可能性は排除できません。ただし通常はアレルゲンのテストは定期的に行っているので大丈夫だとは思います。』次に、大麦について聞いたら、
『アレルギーはたんぱく質で起こります。従ってタンパクが一定量なければおきません。通常は数PPM以上食品に含まれなければおきません。例えば大豆のアレルギーがあっても(蒸留、精製されている)大豆油ではアレルギーになりません。セリアック病は詳しく覚えていませんが確か腸で起こり通常のアレルギー反応とは違うのでもう少しアレルゲンの量が多くても大丈夫ではなかったかと思いますが。』
『大麦は表示義務も表示の推奨にもなっていません。当社の場合ピーナッツの表示をしないで済ますために工場ではすべてのピーナッツ使用商品はアーモンドに切り替え、工場には一切ピーナッツを持ち込まないようにしています。』
などというやりとりをしています。もちろんこれがすべての「答弁」ではないので、そのままこう言ったと引用されるのも困ったことになりますが、善意でこういってくれているものと思います。私は、食品、医学は素人なので、これ以上はちょっとわかりません。