米国入国とその後の国内線、特にユナイテッドの国内線への接続について、先々週の体験について書いておく。
まず、2010年2月の出張の時には、薄グリーンのI-94Wが米国入国に、今まで通り、必要だったので、今回の出張の際に、行きの飛行機の中で、白いI-94と税関申告の用紙しか配られなかったので、不信に思った。それで、一通りサービスがおわったところで、ガレーに行って、そこに居るパーサにも聞いてみた。「それはもう以前の話で、今は日本のみなさんのアメリカへの入国の書類は楽になったんですよ」と同じことを教えてくれた。2人が同じことをいうので、一応信用した。(あとで、ネットで調べてみると、2010年6月に段階的に廃止して行ったようだ。) シカゴに着陸して入国審査になって、たしかになにも要らなかった。つまり、ESTAの更新がすべてだということになる。楽になったと同時に、ネット的に前もって処理が進められ、また多くのその人に関するデータが入国前に照合されるようになったのだろう。
それからユナイテッドの国内線への接続についてだが、こういう話である。ボストンへ行くのに、午後2時過ぎにシカゴに着くUA882に対して、シカゴからボストンまでは、なんと午後9時過ぎに出発して真夜中に着く便しか事前予約できなかったのである。調べてみると、同番号の国内便は午後4時過ぎに、それに間に合わない可能性を考えても、午後9時の前には2本の便がある。なのに、なぜ午後9時過ぎの便しか予約できないのだろう?約7時間シカゴで時間をつぶせということになる。
いくつかのことが考えられた。まず、本当に混んでいて、その間の便はとれないということ。しかし、そうは思えない。とすると、良い接続の便を予約するにはもっと料金を出せ、ということを暗に示唆していること。
それで、とりあえず、到着してから一番近い便をシカゴでスタンバイすることを方針にした。成田で出発するときに、地上係員にこのことを聞いてみた。調べておいた二つの便、午後4時過ぎなどの便、が満席なのかどうかを聞いてみた。答えは簡単である。「お客様、可能性は十分あります。今の時点でそれぞれ20席以上の空席があります。」それで、それらに変更できるか聞いた。「できますが、追加料金が必要ですので、今成田でしなくてもよいのではと思います。」なるほど。そして親切だ。
シカゴに定刻に着いた。まず、一番早い午後4時すぎのボストン行きの便のゲートに行った。空席の量を見る。まだ20席ある。それで、サービスカウンターに行って、スタンバイの申込みをした。次の便に変更できるが、どうするか、という。Yesといいたくなったが、待てよ、ということで、いや、スタンバイでいい、と返事をする。しつこく、変更するか聞いてくる。それで、今変更するのは無料でできるのか、と聞く。答え:「たった50ドルを今支払っていただければ変更する」という。そうではない、スタンバイに入れてほしいと強く言う。カウンターの人は今変更するのがいい、クレジットカードを見せろ、という。しばし押し問答。成田の係員もスタンバイができるといった、だからスタンバイしたい、と自分はいう。そのうち相手はあきらめて、スタンバイに入れるといって、操作をしてくれた。Thank youといってゲートへ。
ゲートの表示を見てみると、1時間半後のフライトのスタンバイの優先リストの2番目に入った。そして空席は18席。そして、ちゃんと乗れた。午後7時半にはボストンローガンに着いた。まだ空席もあった。
2つ学ぶことがある。第一に、このことは想定の範囲内であったので、荷物を預けるのはやめた、というか預けないで済むようなキャリーオンだけで出発した。もし、預入れ荷物があったとしたら、こうはいかない。成田で出発するときに、お金を払って早い便に変更するか、あるいは真夜中のボストン到着を甘受するかのどちらかになる。第二に、これはかなり仕組んだ話かということ、シカゴ・ボストン間はシャトル的な運用をしているので、このことはおそらくきわめて自然に行われている範囲のことであって、日本をねらいうちしたものとも言えないと考える。しかし、知らなければ余分にお金を払う、ただそれだけのことだ。ただ、あまり慣れていないが、個人ですべてをしようとする旅行者には、このスタンバイはつらいものであることには違いない。到着してからどうするか、私も勝手知ったボストンだから気にならないが、見知らぬ街へ行くのであれば、余計な心配をしないで済むから前もって追加料金を払って、便の変更をしておく可能性は十分にある。ユナイテッドにとって、この方法は、追加収入があるかもしれない、という可能性を増す自然な方法なのだろう。他の航空会社はどうか知らないが、おそらくそうは変わらないのではないか。