クジラの話が新聞に出ていて、突然、ニューベッドフォードに行った時のことを思い出した。ボストンに住んでいた2002年の夏のことだったと思う。友人の両親と娘と4人で車で行った。この両親夫妻とも長い交流があったので、マサチューセッツ州の南のケープコッドの付け根のあたりにある町に夫妻は当時住んでいて、そこへたずねて行った時のことである。一緒に近くの町まで行こうよということになった。
港のそばのミュージアムに行こうと言う。なんだろうかと思って一緒にたずねたら、Whale Museum。捕鯨の歴史が保存されている博物館である。へぇーっと思った。当時、アメリカで捕鯨がさかんだったとは知らなかったからである。まず、車を止められるスペースを近くに探して、それで向かう。まず、フィルムが上映されているコーナーへ行った。多数の捕鯨船でひしめいていた様子が映し出される。一大基地である。石油が取れることがはっきりするまで、アメリカの国内の油をまかなうために、鯨油がとられていたのだ。知らなかった。しかも、相当量!日本の近くにも捕鯨船は来ている。世界中の海へでていったようだ。そして、肉は捨てて、ここを強調したい、肉は捨てて、油だけを取った。
館にはそのころの衣装、道具、そして船が一部再現されていた。船員たちの居室などなども再現。
肉は捨てて油だけ使う、もったいない。そういう感覚がまず来た。無駄なことをする。
自分が小さいときには、クジラのベーコンを相当食べたことを思い出す。おいしかった。今はもう食べられないだろう。海の宝としてクジラのからだのさまざまな部分はそれぞれに活かしたはずだ。
いろいろな思いが頭をよぎった。ニューベッドフォードへ行ってみてほしい。