株を買っているのは外国からが多数、為替で円を売っているのは、同じく外国からが中心、ということらしい。そして、日銀新総裁はなんでもやると宣言した、別の言い方をすれば、通貨当局が一方向のみの政策を宣言した。複雑に入り混じった戦略と戦術の交差する市場で、一つの重要なプレイヤーがある方向を決めた。
ということは、市場を決定するパラメータの一つが固定された。とすると、たしかに、景気刺激と浮揚の意図とは無関係に、マネーゲームのプレイヤーにはお金をまたまた転がして儲けるチャンスを供給したことになっているのには違いない。
すると、課題は、「成長戦略」の中身があるのか、ホントに?ということと、あったとしたらそれは何かということになってくる。みんなでそれを探そう。あれば成長できる、なければ、日本沈没か。株高と円安というのは、両方で効果が相殺される部分がある。それを乗り越えないといけない。
ITで考えると、個人用の機器、サービスは、個人の所得はまだ増えていないから、景気がよくなったという感はない。なので、多売ができないし、いずれにしても低価格、高機能の原理はかわらない。とすると、短期的には景気刺激の道具にはならない。スマホ、タブレットは伸びるかもしれないが、大きく見れば、ノートパソコンの置き換えではないか。だとするとプレイヤの交代をしめしているだけになる。
とすれば、今の政策は、企業がもっと元気をだせ、ということが中核だとすれば、B2B、企業向け販売・サービスにもっと注力するべきだということになる。あるいは、企業のIT投資を刺激し、IT投資の増加が企業活動の進展に大きく寄与する、という筋道でいくのがいいということになる。
ITを利用して新たなビジネスチャンスを、そしてITを使った経営の効率化を、経費削減はもちろんだが、業績向上をめざせ、という方向性を出そう。