「接客」という言葉にはさまざまな意味があるだろうが、小売の店頭で、店員が、その店を訪れた人と会話をする、そういう場面を仮想空間の中で想定しようというのが、「サイバー接客」のコンセプトだと考えている。
Second Life的な世界は、基本はウェアハウスと同じだ。商品が並んでいるが、商行為としての会話は概念の中に無い。
WebでのB2Cサイトも基本は同じ。リコメンデーションというFeatureが入りだしているが、その上を行く概念の模索として、サイバー接客を考えようとしている。
店員が訪問客と会話するのは世間話をするためではないから、どんな話を投げかけられてもそれに応答する、という性能を付与する必要はない。すなわち、優秀なキャッチャーである必要はない。しかし、話を始めると客は満足し、最終的には商品を買い上げていく、という会話ができれば理想だとおもう。すなわち、優秀なピッチャーを目指すべきである。
無味乾燥ともいえるデジタルの世界に、あったかい会話が入る。そうなると、仮想空間と現実空間の連続性は飛躍的に確実なものとなり、実用性もまた楽しさも増すのではないか?